ナーブルーツ治療院では現在、2種の治療(手技と振動療法)を提供させていただいております。これらの治療法は、いずれも抹消神経障害によって、筋短縮が起きている筋肉を対象とします。今回は、筋短縮を引き起こす末梢神経障害がどういうものなのかをご紹介させていただきます。

抹消神経の種類

まずは、末梢神経についてご説明します。神経系は、「中枢神経」と「末梢神経」に分けられます。中枢神経は、多数の神経細胞が集まる領域を指し、脳や脊髄がこれに該当します。一方、末梢神経は中枢神経から別れた神経線維を指し、全身に分布しています。

全身に分布する末梢神経は、さらに①運動神経②感覚神経などの「体性神経」「③自律神経」に分けられます。

①運動神経は筋肉を動かすための神経になります。②感覚神経は熱さ、冷たさ、痛さなどの温痛覚(おんつうかく)や触覚(しょっかく)、さらには、手足の位置、運動変化、振動などを認識する深部感覚を伝達するための神経になります。そして、③自律神経は胃や腸の働きや心臓の拍動、代謝や体温などを調節するための神経になります。

これらの末梢神経に故障が生じた状態を抹消神経障害といいます。

抹消神経障害の種類

末梢神経障害の種類は、損傷の程度によって3種に分けられます。

  1. ニューラプラキシー
  2. 軸索(じくさく)断裂
  3. 神経断裂

神経細胞の画像をご覧ください。神経を植物に見立てた際にミエリン鞘(さや)ランヴィエ絞輪光臨(こうりん)で構成される茎の部分軸索(じくさく)といいます。

1.ニューラプラキシーは、この軸索部分に変形が生じていない損傷のことを指します。ニューラプラキシは完全回復が見込める損傷になります。

2.軸索(じくさく)断裂は、この軸索部分が切断までは及ばないものの、中断が生じている状態を指します。この軸索断裂が生じている神経細胞は、根の部分に該当する軸策末端(まったん)に変形が生じています。この軸索断裂は、つねる・押し付けるなどの強い刺激、もしくは長時間の圧迫によって起こります。

3.神経断裂は、軸索だけでなく、ミエリン鞘(さや)にまで変形が及んだ状態を指します。重症の場合、この連続性が断たれ、分断してしまう場合があります。

当院の施術が対象とするのは、1.ニューラプラキシ、2.軸索断裂、および3.神経断裂のうち、連続性が保たれている状態までとなります。

末端神経障害が起こる原因

これらの損傷は、1.阻血(そけつ)・再灌流(さいかんりゅう)、もしくは2.炎症によって生じます。阻血(そけつ)とは、身体の一部の血流が悪化することで、部分的に貧血状態になることをいいます。そして、この貧血状態になった部分の血流が正常になることを再灌流(さいかんりゅう)といいます。

1.祖血・再灌流による神経障害は、祖血から2~3時間が経過した後に再灌流がされることで発生する活性酸素による細胞破壊によって生じます。

2.炎症による神経障害は、神経自体の炎症による神経損傷に加え、神経付近で発生した炎症から発せられるサイトカインと呼ばれる物質による細胞破壊によって生じます。

末梢神経障害によって起こる主な症状

各末梢神経に故障が生じた際の症状はそれぞれ異なります。各々の故障の際に生じる主な症状は以下の通りです。

  • 運動神経障害…筋力低下。筋の軟化・硬化。こわばりやコリ。関節の可動域の制限。弛緩性麻痺、筋力低下・筋萎縮、腱反射低下、繊維束性攣縮
  • 感覚神経障害…しびれや痛みの発症。痛みや熱さ、冷たさなどの感覚の鈍化。慢性痛(むち打ち症の際の全身の痛み、五十肩・四十肩、テニス肘、腱鞘炎、緊張性頭痛、頚肩腕(けいけんわん)症候群、肋間神経痛、腰痛症、股関節・膝関節の変形性関節症時の痛み、足関節の捻挫に伴う慢性通
  • 自律神経障害…血管や内臓筋の収縮。手足の冷え、立ちくらみ、排尿障害(はいにょうしょうがい)、発汗異常(はっかんいじょう)などの内臓の機能異常による症状、血管運動障害、皮膚栄養障害

急性障害と慢性障害

これらの抹消神経障害は急性と慢性に分けられます。急性障害が発症している場合、筋肉は生理的な筋緊張(筋抵抗)が消失した筋軟化(きんなんか)、慢性障害を発症している場合は、当該筋肉が萎縮し筋硬化(きんこうか)を引き起こしていることが多いです。