当院では、声を使う仕事をされている方や声のコンディションをより良くしたい方へ、発声コンディショニングをご提案しております。
このメニューは、ボイストレーナーの箕音先生(ボイス・リビルディング発声理論運営)が当院の振動治療を受けられたことがきっかけで生まれました。
発声コンディショニングは、発声の障害となる「喉頭の埋まり込み」と「ハイラリンクス」を改善・解消させるための施術メニューです。
「ハイラリンクス」と「喉頭の埋まり込み」
喉頭の埋まり込み
引用元: ボイス・リビルディング発声理論
「ハイラリンクス」は甲状舌骨筋、顎二腹筋、顎舌骨筋の硬化によって、喉頭位置が上方向へ定位置化する現象です。
「喉頭の埋まり込み」は中・下咽頭収縮筋、茎突舌骨筋、茎突咽頭筋、そして肩甲舌骨筋の硬化により、舌骨、甲状・輪状軟が奥方向へ定位置化する現象です。
声の響く共鳴腔を狭小化させ、喉頭筋の動きを阻害する原因となるため、発声に多大なる悪影響を与えます。
発声コンディショニングの流れ
施術前チェック
1.甲状軟骨裏への指の潜り込みチェック
甲状軟骨と咽頭収縮筋の間に指を入れ、咽頭収縮筋の硬度を確認します。
喉頭の埋まり込み傾向が強い程、咽頭収縮筋が硬く指が入りません。咽頭収縮筋が硬く指が入らない様子
施術により咽頭収縮筋がゆるむと、甲状軟骨の裏に指が難なく潜り込んでいくようになっていきます。
改善度の指標となります。2.抵抗感/クリック音チェック
同時に甲状軟骨を左右に水平移動させた際の抵抗感やクリック音の有無を確認します。
咽頭収縮筋の中でも中咽頭収縮筋が硬い方は、舌骨の埋まり込み傾向が強く、舌骨のスライド時に抵抗やクリック音が生じます。
中咽頭収縮筋 ※青色部分
舌骨でクリック音が発生する場合、「グニュグニュ」あるいは「ゴリゴリ」とした音が鳴る場合が多いです。
一方、下咽頭収縮筋や輪状咽頭収縮筋が硬い方もいらっしゃいます。
下咽頭収縮筋が硬い方は口頭軟骨に、輪状咽頭収縮筋が硬い方は輪状軟骨にそれぞれ抵抗感が発生します。下咽頭収縮筋(上)輪状咽頭収縮筋(下)※青色部分
甲状軟骨でクリック音が発生する場合、「コリコリ」という音がする場合が多いです。
また筋肉の硬さに左右差がある場合や、日によって抵抗が強い箇所が変わる場合もあります。
初回は筋肉硬化の傾向を、2回目以降は硬化傾向と合わせて改善度を確認していきます。
全体施術(所要時間:20分)
喉頭の施術をする前に、喉頭に影響を及ぼす周辺筋肉に振動療法/全体CS60/アライメント調整を行います。
振動療法によって頸椎~胸椎に直接付着する筋肉の拘縮および筋硬結にアプローチします。
CS60によって喉頭周辺の筋肉のこわばりを改善します。
アライメント調整にとって骨の歪みを矯正し、歪みによる筋肉のこわばりを改善します。
発声コンディショニング①喉頭の埋まり込み対策(所要時間:20分)
1.咽頭収縮筋
咽頭収縮筋施術の様子
CS60および手技にてこわばりを改善していきます。
患者様に顎を前後してもらうことで、咽頭収縮筋がストレッチされ、よりアプローチがしやすくなります。2.茎突咽頭筋・茎突舌骨筋
茎突舌骨筋(上)茎突咽頭筋(下)※青色部分
座位での施術の様子
うつ伏せでの施術の様子
茎状突起を起始とする茎突咽頭筋・茎突舌骨筋の施術になります。
この2つの筋肉は「座位」と「うつ伏せ」の2姿勢にて施術を行います。
座位で全体にアプローチ後、うつ伏せにて茎状突起側の起始部を緩ませて施術を行います。3.肩甲舌骨筋
肩甲舌骨筋 ※青色部分
肩甲舌骨筋ストレッチの様子
肩甲骨から舌骨にかけて伸びるこの筋肉はストロークがあるため、両端からしっかりとストレッチングをするのが有効です。
アプローチする側の腕を曲げ、筋肉の緊張を緩めて頂きながら肩と頚の両方に負荷をかけ、患者様の負担を確認しながらストレッチングをしていきます。
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