治療後の悩み その①「疲れやすくなった」

治療後の筋肉が「硬化した状態」に戻る過程で疲れが生じる

多くの患者様が治療後に「疲れやすくなった」と訴えられます。
こうした疲れは、治療後に緩んだ筋肉が、治療前の拘縮・硬化した状態に戻ろうとする過程で生じます。

なぜ治療後の筋肉は元の状態に戻ろうとしてしまうのでしょうか?
その答えは、人間の身体の特性である「恒常性」にあります。

恒常性とは「一定の状態を保とうとする作用」のことです。
つまり、何か変化が起きた場合、身体はその変化を元の状態に戻そうとする習性があるのです。

この習性により、治療により解けた筋繊維が元の硬化した状態に戻ろうと「こわばり」を起こします。
この「こわばり」こそ、治療後の疲れやすさの原因です。

つまり、この「こわばり」により治療後特有の疲れやすさが発生するのです。

治療開始後に生じる「2種類の疲れ」と「3つの期間」

こうした「疲れ」を訴えていらっしゃる患者様の多くは、振動療法を2-4回受けられた方です。

「治療前には感じられなかった疲れを感じるようになった」
もしくは
「治療前よりも疲れやすくなってしまった」
などと仰られることが多いです。

そして、こうした訴えをされる患者様の多くは「身体が悪化した」と思われるようです。
ですが、実際に身体が悪化していることはほとんどありません。

実際に治療中に触診してみると、身体は順調に改善しています。
具体的には、治療初回時の悪化度合いを「10」とすると「9から8」まで順調に改善していることがほとんどです。

つまり、「身体の改善度」と「疲れ度」とは比例しないのです。

そのことをご理解いただくために、この2つをグラフにまとめてみました。

ご覧のとおり、グラフはただの直線ではなく、ジグザグと上下する形状になります。
これは治療を開始してから生じる「疲れ」には、

  • ①治療直後、身体に残る疲れ
  • ②治療直後から次回の治療までの間に「こわばり」により生じる疲れ

の2種類が存在することに由来します。

つまり、①治療を受けた直後は筋肉が弛緩するため、疲れが最小限になる一方、②「こわばり」により疲れが生じるため疲れ度が大きく跳ね上がるため、こうした形状になるのです。

これは、治療を続ける間続く現象ですが、この2つの疲れの出方により治療期間を3つに分けることができます。

3つの治療期間
期間①こわばりによる疲れが大きく、特に治療の初回から2,3回目はその度合いが最大となります。
「疲れやすくなった」と訴えられる患者様のほとんどは、この期間①に該当します。

期間②こわばりによる疲れと、治療直後に身体に残っている疲れの差が「一定」になります。
この期間②が「停滞期」といわれる期間です。

停滞期は「こわばりによる疲れ」「疲れの差」だけでなく、1回の治療による身体の変化に対する感覚も「一定」となり、差が分かりにくくなります。
それにより、この期間中に「治療効果が頭打ちになった」「治療に通っても改善しなくなった」と感じられる患者様が多いです。

ですが、この期間②も身体の改善は順調に前進しています。

期間③「こわばり」による疲れ、および「2つの疲れ度の差」が共に小さくなります。
この期間に入ると身体の変化への感覚も鋭くなり、一回ごとの治療での改善を実感できるようになります。

この期間③に入ると、多くの患者様は治療に対しポジティブになります。

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身体の改善が進み、身体の変化への感覚が鋭くなると日常の中で生じる「疲れの発生」にも敏感になります。

「疲れの発生に敏感になること」と「疲れやすくなること」は異なります。

疲れの発生に敏感になると、身体はその「違和感」を取り除こうとします。
仕事中、背伸びをしたりストレッチをしたりしている光景は、こうした身体の感覚が機能した結果、生じるものです。

この状態になれば、疲れをこまめに払拭することができるようになるため、疲れが溜まりにくくなります。

これが理想的な身体の状態となります。

ここまで治療期間中に生じる2種の疲れ、および3種の治療期間についてご説明してまいりました。
上記のとおり、期間③は治療に対しポジティブとなるため、ここまでくればほとんど問題ありません。

したがって、「期間①と②をどう乗り切るか?」が課題となります。

そして、特に課題となるのが、冒頭でお伝えした「疲れやすくなった」という感覚に対して、つまり「期間①」になります。

そこで、ここからはこの期間①に生じる「こわばり」による疲れに対する対処法について考えていこうと思います。

筋肉を硬化状態に戻す要因① 脳の誤った認識

本来、筋肉は「緩んだ状態」が正常です。
つまり、日常的に緩んでいる筋肉が一時的に硬化した場合に「緩んだ状態に戻る」ために恒常性が働くというこのが健常な状態になります。

ですが、硬化・拘縮状態が長い間続くと、「硬化・拘縮した状態が正常である」と脳にインプットされてしまいます。

つまり、緩んだ筋肉が再び硬化しようとするのは「脳の誤った認識」に原因があるということになります。

期間①は特にこの誤った認識による影響を大きく受けることになります。

この誤った認識は、治療を続ける中で筋肉と共に改善・修整されていきます。

ですが、もう少し「能動的に」この誤った認識を修正していくためのアイディアをご紹介していこうと思います。

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この「脳の誤った認識」が修正されると、緩んだ状態を保つ方向に恒常性が機能するようになります。

こうなったときにはじめて、身体は「疲れにくい状態」となります。
この状態になることは、一つの治療目安です。

対処法1.意識的に「こわばりが生じていない状態」の維持を心がける

まず、最も効果的なのが生活の中での「こわばり癖」を認識し、それが生じないように工夫をすることです。

「こわばった状態が通常だ」という認識は、既に「無意識」の域に根付いてしまっているものです。
これを少しでも早く修正するように「意識的に」働きかけていきましょう。

そのために大事なことは「こわばりに敏感になること」です。
つまり、治療対象の筋肉にこわばりが発生した際に、「あ、今筋肉がこわばっているな」と敏感に感じ取れるようになるということです。

多くの人が生活の中で生じる「こわばり」に意識を向けることはありません。
そのこわばりにより「疲れ」が発生した際に、はじめてその筋肉に意識を向けるようになります。

今後は「こわばり」が発生した段階で意識を向けることを心がけていきましょう。

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治療の初期段(治療1~3回目位)は、特に疲れが発生しやすいです。

激しい疲れにより、仕事や普段難なくこなしていた作業がままならなくなってしまうこともあります。

こうした状態は、治療の初期段階特有の「好転反応」です。
好転反応は「身体の変化が大きい場合」に起こる現象です。

個人差がありますが、変化が大きいということは、それだけ治療前の状態が不健全な状態であったということになります。
つまり、それだけ改善の余地が大きいということです。

中には、この好転反応が嫌で治療を中断してしまう方もいらっしゃいますが、それは大変もったいないことです。

好転反応は長くは続きません。
この期間を乗り越え、「健全な身体」を取り戻しましょう!

対処法2.こわばりが発生しやすいタイミングを知る

もう一つは「こわばりが発生しやすいタイミングを知ること」です。

治療後は、常にこわばりが発生しやすいものですが、よく観察してみると一日の中で「特に」発生しやすいタイミングが存在するものです。

そのタイミングは、人によって異なります。
ですので、ご自身で発見する必要があります。

参考までに、当院の患者様のお話をご紹介します。

その患者様は、初めて来院された際、脊柱全体(特に胸椎周辺)がガチガチの状態でした。

治療の回を重ね、順調に改善していましたが、
治療後の「疲れやすさ」に悩まれていました。

しかし、それでも治療を続け、あるとき「パソコン作業を2時間以上継続すると、背中にこわばりが生じやすくなること」に気づきました。

このことに気づいてからはパソコン作業中、1時間に一度は必ず休憩を入れ、ストレッチをするようにしました。
こうすることで、疲れの発生はかなり改善されたそうです。

このように、特にこわばりが発生しやすいタイミングを知るだけで、疲れの発生を軽減させることができます。

治療直後の対処法

身体が最も敏感になるタイミングの1つが「治療直後」です。
なぜなら、治療前と治療後とで身体に「大きな変化」が生じるからです。

そうした状態の身体に少しでも負荷がかかると、それをきっかけにたちどころに「こわばり」が生じてしまいます。
したがって、治療後に帰宅してから就寝されるまでの間は、できるだけ身体に負荷をかけないようにすることが重要です。

例えば、以下のようなことに注意するとよいでしょう。

  • 治療の際は重たい荷物を持ってこない
  • 電車に乗る際は、なるべく身体を進行方向に向けるようにする
  • 治療を受けた日は暴飲暴食をしない/お風呂にゆっくりとつかるようにして、しっかりと睡眠をとる

治療後、身体への負荷により「こわばり」が発生し、治療前の状態に戻ってしまっては元も子もありません。
治療効果を最大にするためにも、治療後はできるだけ身体へ負荷をかけないように工夫するようにしましょう。

筋肉を硬化状態に戻す要因② 不良姿勢

ここまでは、脳の誤った認識により生じる「こわばり」を軽減させるための対処法をご紹介してきました。

ここからは、もう一つの筋肉を硬化状態に戻す要因「不良姿勢」についてご紹介していきます。

慢性症状の原因となる筋硬化/拘縮の元凶のほとんどがこの「不慮姿勢」です。

不良姿勢は「習慣」です。
よって治療により筋肉が解れても、その不良姿勢が続くようであれば、また筋肉が硬化する方向に作用が働いてしまいます。

ですので、不良姿勢は積極的に改善していく必要があります。

こまめにストレッチをする

慢性症状の原因である不良姿勢が「職業的なものである」ために、なくすことができない方もいらっしゃることと思います。

当院の患者様に美容師さんがいらっしゃいます。
その方は、肩こりと腰痛が悩みでしたが、その原因は「髪の毛を切る場合の前傾姿勢から生じる腰椎・胸椎周辺の筋肉の硬化」でした。

このことをご本人もご自覚されていらっしゃいましたが、仕事上その姿勢を取り除くことはできませんでした。

こうした状況の方は、少なくないことと思います。
そうした方に特におすすめしたいのが、仕事の合間に定期的にストレッチを行なうことです。

筋肉は同じ姿勢が一定時間以上続くと結構不慮が生じ、力みを生じやすくなります。

そこで、定期的にストレッチを行ない、血行を改善、酸素を供給をすることで力みの発生割合を軽減させることができるようになります。

この患者様も、カットの合間にストレッチをするようにすることで、こわばり癖がかなり改善されたと仰られていました。

以下のページではストレッチをご紹介しております。
是非、参考にになさってください。

「頚椎」周辺が治療対象の方向けストレッチ

「胸椎」周辺が治療対象の方向けストレッチ

「腰椎」周辺が治療対象の方向けストレッチ

治療後の悩み その②変化が感じられない方

治療一回目の方

また、治療後の「疲れやすさ」と合わせてよく伺うのが「治療後に変化を感じない」というお悩みです。

そういった方は共通して筋肉の拘縮が強い、もしくは筋硬結が広範囲に渡り生成されている傾向があります。
つまり、筋肉が硬化が強いが故に変化を感じにくいのです。

筋肉の硬化度、さらには治療後の筋肉のほぐれ方・程度には個人差があります。
ですので「初回治療での変化の出方」にも当然、個人差が発生します。

初回の治療であまり変化を感じられなかった方には、できるだけ間隔を空けず、治療を数回受けていただくことをおすすめさせていただいております。

度合いの強い拘縮/広範囲の筋硬結に連続的に治療を施すと、何度目かの治療で必ず「第一の変化」が発生します。
この変化が症状改善のための今後の治療の「取っ掛かり」となります。

「岩壁に風穴をあける」ような作業です。
逆に言えば、この「第一の変化」が発生しない限り、症状改善の道をたどることはできません。

ですが、「初回治療で変化を感じられない=治療の意味がない」と捉え、治療を中断してしまう方がいらっしゃいます。

変化が現れない状態で治療に通い続けることは、かなりの心理負担になることでしょう。
かかる治療費や通院の手間を考えれば当然のことです。

また、初回の治療で変化が起こるだろうと期待されていた方は、裏切られたとの思いになることもあるでしょう。

患者様にこうした思いをさせてしまうことは、治療家として大変辛いことです。
そうした方に次回の治療の話をさせていただく際は身を切る思いがします。

ですが、お悩みの症状の原因が筋肉の拘縮/筋硬結である以上、それをなくさなければ症状改善は見込めません。

治療改善には「第一の変化」を起こす必要があり、そのためにはとにかく連続的に治療を受けていただく必要があるのです。

治療2回目以降の方~最近、治療後の変化を感じない~

治療を開始して数ヶ月が経過、これまでは治療後に変化を実感されていたにも関わらず、
その変化を感じにくくなってくる期間があります。

これは、身体の変化が現れにくい、治療の「停滞期」です。

中長期的に時間をかけ、身体を大きく改善(変化)させようとすると、
その期間中、ほとんどの方にこの停滞期が現れます。

よくテレビで見かける「数ヶ月をかけて、数十キロ単位で体重を落とす」ダイエット企画でも
あるときまでは順調に体重が減少していたにも関わらず、そこから体重が落ちなくなってしまった
などという光景を目にします。

これもこの「停滞期」です。

こうした「停滞期」は、さらなる変化をしていくための身体にとっての「準備期間」です。
つまり、身体の中で「準備」という手順を”順調に”踏んでいることになります。

ですが、それまで感じられていた変化が見られなると、心が折れてしまいがちになります。

そして、このタイミングで治療の頻度が落ちしてしまう方、治療に来られなくなる方がたくさんいらっしゃいます。

これは非常に勿体無いことです。

お一人で悩まないでください!

こうした停滞期の到来を感じされた際は、是非、その旨をお話ください。

お気持ちを共有いただき、患者様と共に辛い時期を乗り越えていきたいと考えています。