僧帽筋(そうぼうきん)は、肩の最も表層に広く位置している筋肉です。
僧帽筋は腕の重さや荷物を持った際にその重さを支える筋肉です。
長時間荷物を持った際、肩に生じる疲れはこの僧帽筋に発生しています。
重い荷物を継続的に持つ習慣がない現代人の僧帽筋をこわばらせるのが「デスクワーク」です。
多くの人が、デスクワークにより僧帽筋を硬直させ、肩こりを発生させています。
「肩こり」は、僧帽筋が原因であることがほとんどです。
肩こりにお悩みの方はまず、僧帽筋をストレッチしましょう
実は、僧帽筋には他の筋肉に存在する「静脈便」がありません。
これにより、僧帽筋はほかの筋肉と比較して血液循環が悪化しやすく、筋肉の硬化が生じやすいです。
施術の際も、僧帽筋は他の筋肉に比べて反応が悪く、解れるまでに時間を要します。
ですので、ストレッチにおいても他の筋肉よりも長めの時間を割いて行うことをお勧めします。
長年のデスクワークや不良姿勢で肩こりが生じている際、僧帽筋だけでなく、さらに深部に位置する筋肉(最長筋・腸肋筋・多裂筋など)まで硬化していることがほとんどです。
その場合、深部の筋肉の硬化を改善する必要がありますが、表層の筋肉が硬いままだと、深部へアプローチをすることができません。
したがって、いずれの場合もまずはこの僧帽筋のストレッチをしてみることをお勧めします。
- 僧帽筋のストレッチで肩こりが解消されればOK
- 解消されない場合は、僧帽筋をほぐした上で、さらに奥に位置する筋肉のスレッチしてみる
この手順がよろしいかと思います。
僧帽筋上部のストレッチ
体積が広い僧帽筋は、上部・中部・下部で特性や身体への作用が異なります。
そのため、ここでは僧帽筋を上部・中部・下部と分け、ストレッチ・エクササイズをご紹介していこうと思います。
デスクワークにより硬直するのは、僧帽筋上部繊維です。
デスクワークで肩こりが発生している方は、まずこの僧帽筋上部繊維のストレッチを実施してみましょう。
- 背面で両手を組み、組んだ手を腰骨に当ててしっかりと固定します。
- 組んだ手を支点に、反対側の僧帽筋上部繊維を意識しながら20秒間しっかりとストレッチしていきます。
- 左右3セット行いましょう。
肩こりのタイプは大きく2つに分けられます。
一つが「いかり肩タイプ」、もうひとつが「なで肩タイプ」です。
この僧帽筋上部繊維のストレッチは、いかり肩タイプの人に有効なストレッチです。
いかり肩タイプは、僧帽筋上部繊維が硬化しており、下部線維が弱化しています。
ですので、このタイプは上部繊維のストレッチと合わせて下部線維っを強化するのが有効な対処となります。
日本人の肩こりのほとんどが、この「いかり肩タイプ」に該当します。
一方、なで肩タイプは僧帽筋の下部繊維が硬化しており、逆に上部は弱化している状態です。
ですので、なで肩タイプは僧帽筋上部繊維をエクササイズで強化するのが有効な対処となります。
タイプ診断方法、さらに各対処法は以下のページでご紹介しております。
リンク:タイプ別肩こりの対処法
僧帽筋横方向ストレッチ
続いて、僧帽筋全体を横方向に伸展するストレッチをご紹介しましょう。
- 椅子に浅めに座り、両手を全面でクロスさせます。
- 前かがみになります。このとき「肩甲骨が左右に開く感覚」を感じるようにしましょう。
- そのまま20秒ストレッチしましょう。
このストレッチは、僧帽筋の下に位置し、肩甲骨と背骨をつなぐ菱形筋(りょうけいきん)のストレッチにも効果を発揮します。
いわゆる「肩甲骨はがし」に該当するストレッチです。
僧帽筋縦方向ストレッチ
続いて、僧帽筋全体を縦方向に伸展させるストレッチをご紹介しましょう。
- 座ったまま両手を組み後頭部に当てます。
- そのまま自分のお腹をのぞき込むように前かがみになります。
- 僧帽筋が縦方向に伸びる感覚を持ちながら20秒ストレッチします。
いかがでしたか?
ストレッチを継続的に行うことで、硬化した筋肉は少しずつ緩んでいきます。ご紹介したとおり、僧帽筋は肩こりの原因になりやすい筋肉です。
肩こりでお悩みの方はぜひ、僧帽筋のストレッチをお試しください!もし僧帽筋のストレッチを1か月間、毎日続けたにもかかわらず、肩こりに変化が起こらない場合は、
他の筋肉が主な肩こりの原因かもしれません。以下のページでは、僧帽筋以外に肩こりの原因になりうる筋肉の概要とストレッチの方法を紹介しています。
是非、ご覧ください。また、肩こりの原因となっている筋肉の特定が難しい方や、複数の筋肉のこわばりが複数の筋肉に及び肩こりが発生している方向けに「多くの方に効果が期待できるストレッチ」をまとめました。
こちらも参考にしていただければ幸いです。
リンク:肩こりの人にまずやっていただきたい基本的な肩こり解消ストレッチ〇選
これらのストレッチを実践したにも関わらず、肩こりが解消されない場合、
その肩こりは、僧帽筋のコリにより、さらに深層に位置する多裂筋や脊柱起立筋の胸部・頚部が「硬結化」したことで生じる神経根障害が原因かもしれません。「硬結化」とは?
「硬結化」とは、
不良姿勢などにより炎症・損傷が繰り返し度々発生することで、筋繊維が硬く短縮したままの状態になってしまうことを指します。
硬結化した筋肉を「筋硬結」といいます。
以下のページで筋硬結を詳しく説明しております。
筋硬結とは?成人した現代人のほぼ全員が筋硬結を有しています。
この筋硬結が感覚神経に影響する場合、肩こりや腰痛などの症状が発症します。筋硬結は継続的に神経障害を引き起こすため、肩こり・腰痛は慢性的なものとなります。
この場合、この筋硬結を治療しない限り、肩こりが改善することはありません。「振動療法とアライメント調整」であなたの慢性化した肩こりを改善しませんか?
筋硬結は、一般的な整体で行われるマッサージや手技で改善できるものではありません。
当院は、振動療法とアライメント調整でこの筋硬結を施術対処とする専門の施術院です。
こちらが当院の振動療法で使用している「施術用バイブ」になります。
この振動により、正常な箇所への刺激を最小限に抑えながら、あらゆる慢性症状の原因である筋硬結を解消していくのです。
肩こり・腰痛を改善したい方は、ぜひ一度ご相談ください。